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酸化チタン

代表的な光触媒活性物質として、酸化チタン (TiO2) が知られている。

[編集] 性質

酸化チタン光触媒が光を吸収すると大きく分けて2つの機能を発現する。

1. 強い酸化作用

この作用は他の物質にくらべて顕著であり、水を酸素と水素に分解するほどの酸化作用をもっている。このため本多・藤嶋の発見以来、酸化チタンを用いて水から水素を得ようとする工学的応用が研究されている。これは太陽の光エネルギーから、水素というクリーンエネルギー(水素は燃焼して水になるため)を生成することを意味し、夢のエネルギー循環サイクルといわれている。しかし現状では効率が低く(後述)、大規模な製品化には至っていない。

またこの酸化作用を利用し、有害物質の分解なども試みられている。ただし有害物質の処理に関しては、他の処理技術のほうが効率や処理できる量の面で優れている場合が多い。そのため酸化チタンには、光照射だけでよい手軽さを生かした応用が行われている。たとえば病院の手術室の壁・床を酸化チタンでコーティングしておけば、ブラックライト(紫外光ランプ)を照らすだけで殺菌処理を行うことが可能である。この応用は既に製品化されており、一部の病院で利用されている(1億人の大質問!?笑ってコラえて!によると, 研究者は、東京大学のトイレで捕獲したゴキブリを酸化チタンの溶液に入れて溶かし、有害物質や病原体の除去に使えることを確かめた)。

また応用として、太陽電池も作成されている(グレッツェル電池)。これは酸化チタン多孔性膜に色素(ルテニウム錯体化合物やクマリン系色素を用いることが多い)を塗布し、それをヨウ素電解液に浸して作成する。対電極には白金を用いたものが多い。この太陽電池に光照射をすると、まず色素の電子状態が光によって励起し、つづいて色素から酸化チタンへの電子注入が起こる(色素が酸化される)。電子を失った色素は、やがて電解液から電子を奪う(色素が還元される)。ただしこの太陽電池の光エネルギー変換効率は、現在のところ最大でも10%程度であり、多結晶シリコンを用いた太陽電池よりも効率の点で劣っている。そのため、太陽電池の主流にはなっていない。

2. 超親水作用

この現象は、ガラスの防曇加工技術として既に応用されている。自動車のバックミラーや道路のミラー等を酸化チタンでコーティングしておけば、水がはねついても表面で水滴とはならず、そのまま流れ落ちる。そのため雨天時の視認性が大幅に向上する。また油性の汚れ(マジックペンなど)が全く定着せず、雨などで定期的にこのような水が流れることにより、表面が洗浄され、いわゆるセルフクリーニング作用をもつ。このセルフクリーニング作用は、既にビル外壁やテントシートおよび住宅用窓ガラスなどへ応用されている。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用